ゲシュタルトのファシリテーター集会に参加した。
どんなものかというと、全国のゲシュタルトを学ぶ人が
ZOOMではあるが、一堂に会して、海外講師を招聘し
世界のゲシュタルトを学ぶという場
すごいことに、優秀な方がたくさんいて、会のメンバーが
同時通訳(英語、ポルトガル語)をしてくれるので、
言葉がわからなくても大丈夫。
そんな中で、ゲシュタルト甲子園なるものがあって
偶然、同室になった人でファシリテーター(聴き手)とクライアント(話し手)になって
セッションをみんなの前でするというもの。
僕は運よく2番目にクライアントとしてセッションすることが出来た。
その時に起きたことを書こうと思う。
ファシリテーターはK.Mさん
お顔は拝見したことがあるけど、少ししか話したことなくて
セッションをするのは初めまして。
そんな中で、最近、あった残念な出来事を聴いてもらう
(個人や団体が特定できないように状況は割愛)
話を進める中で
「その残念な感じはどこにあるの?」
とファシリテーターに質問されて、僕は感じてみた。
どうも胸の奥にお菓子のクズのように乾いてカサカサしているものがある
ファシリテーターは
「胸にあるお菓子のクズのようなものに息を吹きかけてみて」
と言った。
僕は言われたとおりに息を吹きかけてみた。
最初は何も起きなかった。
ファシリテーターは「続けてみて」
と優しいまなざしで問いかけてきた。
また、数回息を吹きかけてみる。
そうしていると、舞い散ったお菓子のクズのようなものから
ほのかに甘い香りがしてきた。
さらに続けると舞い散ったクズはいつしか春風の桜の花びらのように
甘い香りと共に舞いだした。
僕はとても気分がよくなって、呼吸が深呼吸をしているように
胸の隅々まで届いているように感じられた。
この香りには覚えがある。
たった一度しかなかったが、幼いころ、
とてもつらいことがあって泣いている時におばさん(父の妹)が
抱きしめてくれたことがあった。
いいとか、悪いとかではなくて、そのつらい気持ちを受け止めてくれて
一緒にいてくれた時に感じた甘い香り
ファシリテーターが凍り付いている僕の感情の中にある大切なものものを
無条件に信じてくれているのが
感じられた瞬間に起きた出来事
時間と空間を超えて、本当に欲しかったもの(無条件に信じてもらえる)
に出逢えた時に
ふたたび甘い香りに包まれた。
これらはすべて僕の中で感じたこと
すべての人に同じことが起こるわけではないが
セラピーは時として言葉では説明しきれないことが起きる。
なぜなら、僕たちは人間である前に生き物であるから。
言葉は生き物である人間が後天的に身につけた能力
ゆえに、言葉では説明しきれない感覚が
本来たくさんあるのが生き物である人間だと思う。
ファシリテーターとクライアントの間で
信頼関係が結ばれ、高まった瞬間に言葉では説明できないことが起きるように思う。
だから、セラピーはテクニックではなくて、ファシリテーターの在り方
がほとんどすべてを創り出しているように感じる。
その意味では今回ファシリテーターをしてくださったK.Mさんの
無条件に信じてくれるあり方に僕は最大限の勇気をもらった。
無条件に信じるというのはやさしさではなくて強さ
クライアントの中に答えはあるという信念
僕もそんなセラピストになりたいと思う。
こんな機会をくれたファシリテーター集会に感謝。