セッション感想の感想をいただきました。セッションの中で何が起きているのか?セラピスト(ゲシュタルトではファシリテーターという)は何を意識しているのか?
守秘義務があるので、詳しい内容は
言えませんが、セッションを受けた方の
感想です。
話し始めたときと終わるときで
部屋の明るさが違っていました。
ゲシュタルト的には中間領域の
妄想の世界から、内部領域と外部領域に
コンタクトできた、
今ここの世界への変化。
ポリヴェーガル理論的には
背側系の視界を狭くした暗い世界から、
腹側系の視界が緩んだ明るい世界への変化。
一緒に行き先のわからない世界を旅
してくれてありがとう❤
私たちは悩みや困りごとに意識が
いっているときは、周りが見えてません。
自分の頭の中で、過去に起きた
出来事や感覚
それをもとに、未来に起こるであろう
出来事や感覚
を心配して、動けなくなります。
そんなときに、からだの感覚を頼りに
今、ここで、何が起きているのか?
あるいは、何も起きていないのか?
を明らかにしていきます。
ゲシュタルトでは、クライアントを
こうであろうという、いわゆる見立てを
立てません。
クライアントが身体で感じている感覚
身体を感じている時の感情、感覚
さらには、その感覚に留まっていると
思い出したり、見えるシーン
などなど、視点を移動することによって
多面的にものごとをみる
ということを働きかけます。
そうすると、頭の中(思考、中間領域)で
ぐるぐるしている状態から抜け出し、
今、ここで起きていることが、
本人の視点から明らかになってくるのです。
【話し始めたときと終わるときで
部屋の明るさが違っていました。】
と感想にありますが、
話し始めたときは、目は開いていますが
目の機能を使ってません。
思考(中間領域)に留まっているので
外の世界(外部領域)にコンタクトする
目の機能を使えて無いのです。
話終わるとき(セッション終了後)までに、
外の世界(外部領域)、
皮膚から内側(内部領域)、
思考(中間領域)を自由に行ったり来たり
できる状態に戻ったので、
目の機能を正常に使えて
【部屋の明るさが違っていました】
ということが起きるのです。
物理的に明るさが変わったのではなくて、
目の機能を正常に使える状態に戻った。
本来、私たちはこの3つの領域を
自由に行き来できるのですが、
何かに囚われると、
思考(中間領域)から他の領域に移動が
できないということが起きます。
それをサポートするのがゲシュタルトセラピー
で、極論すると、
これだけでいい
と私は感じています。
セラピスト(ファシリテーター)
が何かをしようとしたときは、
何も起きない。
クライアントの視点の移動をして、
気づきを生み出すサポートをする。
クライアントの中から起きてくることを
大切に扱う。
そして、何より、
セラピスト(ファシリテーター)は
役割を演じない。
どんなときも、自分自身であり続ける。
実はこれが一番、
トレーニングがいるところかもしれません。
セラピスト(ファシリテーター)は
自分自身であるために、
人にセッションする練習以上に、
自分自身がクライアント体験を積んで、
自分が一番の自分の理解者になるとき、
人とも優しい関わりができるように感じます。
ゲシュタルトでは、クライアントに
寄り添うというスタンスは取りません。
あくまで、クライアントに影響を与えることが
できる人として存在します。
寄り添ったり、必要以上の傾聴はしないのに
セッションの中でセラピストとクライアントとの間に信頼関係が生まれてくるのは、
クライアントに何が起きているのか?
という関心を持ったセラピストの姿勢
その真摯な姿勢がクライアントの中に
安心感を生み出します。
そして、この安心感がクライアントの
脳内でオキシトシンを生成させ、
悩み事で背走迷走神経複合体が優位の状態
から、腹側迷走神経複合体とのブレンドを
生み出し、セッション中に
【恐怖なき、不動化(赤ちゃんがおっぱいを飲んでいるような安らかな状態)】を
創り出すのです。
セラピーはテクニックではありません。
もちろん、知識として知っていることは
役に立ちますが、あくまで、
セラピスト(ファシリテーター)
その人の存在が
最大のリソースなのです。